このページでは、
映画「純黒の悪夢」で登場したラムや、
安室透とやり取りするラムの姿から、
ラムについて考察していきます。
ラム候補3人のうちの1人が、
”ラムの影武者”であるという
説明もしていくので、
ご確認いただければと思います。
それではどうぞ!
「純黒の悪夢」から見るラム像とは?
劇場版名探偵コナン第20作「純黒の悪夢」では、黒の組織の新メンバーが登場します。また、原作では謎の存在となっていたラムが、初めてその存在を現し、実際に喋る場面もあります。
ラムの登場時間こそ短いですが、映画全体ではいろいろ考察できそうなことがありました。この「純黒の悪夢」でのラムについて、見ていきましょう。
地位の高さを伺わせる存在だった
劇中のラムとベルモットの会話。ベルモットはラムとの会話では基本的に敬語を使い、ラムのことを”あなた”と呼んでいました。ジン含め、組織の人間の誰にも敬語を使わないベルモットが唯一敬語を使う人物です。
ジン待って!撃ってはダメ!ラムからの命令よ!・・・それで、私達は何を?・・・はい、了解しました。
またジンも、原作では「ラムの抜かった仕事なんざ知ったことか」とぞんざいに扱っていても、本作でラムの命令には逆らえないことが見て取れます。
ラムからの命令だ!確実に任務を遂行しねぇとなぁ!
組織No.2の肩書はだてじゃないようですね。
組織の仲間を自分の駒にする掌握力を持っていた
本作の登場人物・キュラソーはラムの右腕。しかし、元々は組織の秘密を知ってしまい、ベルモットに命を奪われるところでした。そのすんでのところで、ベルモットを止めたのがラム。
こうして、キュラソーは生き残り、ラムの要求する情報を手に入れる駒となったのです。
ラムの特徴として影武者がいるという情報がありましたが、この掌握力で、うまく影武者を操っていたのかもしれません。
ラムは慎重で用心深い性格?
キュラソーからの情報を元に、キールとバーボンをスパイとして捉えたジン。しかし、ラムの元にキュラソーから「2人はスパイではない」という情報が改めて届き、2人の始末は引き止められました。
しかし、解放はさせません。ラムは2回目の情報提供者のキュラソーが本物ではない可能性があると読んでいたのです。このことから、ラムは慎重で用心深い性格と言えるかと思います。
ラムの声優は空欄
エンディングでのキャスト紹介では、各キャラクターの声優が紹介される中、ラムの声優は空欄となっていました。
確かに、ラムは喋ってはいたのですが、その声質は機械で加工されたものでした。喋り方からなんとなく女性のイメージがしましたが、どうでしょうね。
例えば、セリフの1つに「下がりなさい、ベルモット」という発言がありました。これをラム候補3人に言わせて誰がしっくりくるのか・・・。
下がりなさい、ベルモット
下がりなさい、ベルモット
下がりなさい、ベルモット
う~ん、こうしてみると、3人共しっくりときませんね・・・。強いて言えば若狭留美でしょうか。脇田兼則が言ってる様子を想像したら笑いがこみ上げてきます。
ただし、ここでラムの特徴の1つである、”女のような男”が適用され、”(喋り方が)女のような男”と考えることもできます。
ラムの特徴から影武者説が消えた?
劇中で灰原が、ラムの3つの外見的特徴を言いましたが、原作とは異なり、屈強な大男、女のような男、年老いた老人、とまでしか言いませんでした。原作ではこの後、「これらすべてが影武者」という説も唱えていましたが、その部分がなくなったということは何か意図があるのでしょうか。
もし影武者説がなくなるなら、”影武者のラム”、”真のラム”という概念がなくなり、黒田、若狭、脇田のうちの誰かがラムという、本記事冒頭の前提が生き返ることになります。
Q92:ラムは黒田・若狭・脇田の3人の中に確実にいますか?
青山先生:いますね!!(影武者だけど・・・)
ラムが連絡を取っていたのはベルモットとキュラソーのみ
劇中、ラムが連絡をとっていたのは、ベルモットとキュラソー。ベルモットとの連絡は電話で、キュラソーとの連絡はメールでした。
しかし、キュラソーとの連絡は、キュラソーが一方的にメールを送るシーンのみ描かれ、ラムからキュラソーへメールが届くシーンはありませんでした。
このことから、ラムからの連絡は基本的には電話なのではないかと思いました。これは注目すべきポイントの1つです。
安室透とラムの関係は?
ラムに迫るキーパーソン、それが安室透です。なぜなら、安室透は作中コナン以外で唯一、ラム候補である黒田、若狭、脇田と面識があるキャラクターだからです。
それでは安室透とラムの関係を見ていくことで、ラムについて探っていきましょう。
安室透はラムと会ったことがある?
コナンも安室にこの疑問を投げかけていますが、はぐらかされています。
RUMって知ってるよね?会ったことあるの?
どう答えたらいいか、悩むよ・・・。会ったことがあると答えれば、君は僕がかかわっている人達に探りを入れ始めるだろうし・・・、会ったことないといえば僕や君に近づく人達を必要以上に警戒するだろ?(97巻FILE.4「泣く子も眠る」より)
ラムは、組織で頭角を現しライというコードネームを得た赤井秀一ですら、2,3度名前を耳にしたことがある程度の存在です。もちろんシェリーこと灰原哀も「会ったことがない」と言います。
ところが、安室透には直接メールを送り、工藤新一を探るよう命令を出しています。また安室透も、コナンに”ラムはせっかち”と、ヒントを与えられるほどにはラムの情報を知っています。
ここで安室透がラムとコンタクトを取れる理由が3つ考えられます。
- 赤井秀一が組織に潜入していた3年間、1度もラムが動くような案件はなかった
- 赤井秀一が組織を抜けた後の2年間で、バーボンの地位がライより上がり、ラムとコンタクトを取れるようになった
- 安室透がコンタクトを取っているのは真のラムではない
(1)はないですね。3年間何もしないNo.2とは何なのか。(2)はありそうです・・・が、(3)の方がありそうです。
真のラムは実は誰も会ったことがない・・・。だから十人十色の意見が出てくるわけです。安室もラムに会ったことがあるかもしれませんが、それは影武者のラムなのではないでしょうか。
安室透はスマホを2台持っている
安室透はラムから2度メールを送られているのですが、実はこの2回、別の人物が送ったメールである可能性があるんです。なぜそう言えるかと言うと、安室透が受け取った2回のメールを読む、スマートフォンに注目です。
1回目のメールを読んでいるときのスマホは、後ろにスペードの欠けたマークがついていることがわかります。これはもうお馴染みですよね。安室透を象徴するスマホであり、
このように商品化されるほどの一品です。
しかし、2回目のメールを読んでいるときのスマホは、実はこのスペードのマークがないのです。よって安室透はスマホを2台持っている、ということが言えるのではないかと思います。スパイ活動をする上で、スマホを2台持つという行為は至極当然であるとも考えられますしね。
ちなみに、2回目のメールがきたときの事件である、95巻収録の「迷宮カクテル」では、犯人がスマホを2台持っていました。更に、安室透と脇田兼則が同行した長野での事件である、97巻収録の「暗号に隠された殺意」では、ラム候補の脇田が「誰かが携帯をもう1台こっそり持っている」と発言しています。
これらの描写は、安室透がスマホを2台持っていることを示唆しており、2回目のメールを読んでいるスマホの後ろにスペードのマークを書き忘れた、なんていううっかりではないと考えられます。
では2台持ちであることによって何が言えるかと言うと、2回のメールが、それぞれ別の人物からのメールである可能性が高いということです。
じゃあそれぞれ誰からのメールだったのか・・・。個人的には、
1回目:
安室の公安警察としてのボスと推測できる黒田管理官が、RUMの名を語りメールを送った
2回目:
影武者のラムが送った
と考えています。
スペードのついたスマホは過去に何度も登場し、公安の仕事にも使用しています。スペードのないスマホはここで初登場でした。よって、スペードありが公安スマホ、スペードなしが組織スマホと考えられます。
では、2回目はなぜ”影武者の”ラムなのかというと、本物のラムの連絡手段はメールではなく電話と考えられるからです。「純黒の悪夢」でラムがベルモットに連絡をとった手段も電話でしたよね。
よって、本物のラムが連絡を取るときは電話を使い、メールで連絡をしているのは影武者であるという考え方ができるわけです。
以上をまとめると、安室に送られた2通のメールに関する考察は、次図のような時系列になると考えます。
安室に命令する影武者のラムは誰?
これは圧倒的に脇田兼則ですね。1ページ目の結論として、ラム候補3人の中の誰がラムなのかについて、脇田兼則がラムと考察しましたが、それがここでも当てはまります。
更に根拠を補強するならば、97巻収録の「暗号に隠された殺意」において、安室は蘭から長野に代わりに行ってほしいと頼まれますが、この時蘭は、欠員はもう1人いるため榎本梓も誘ってみては、と安室に提案しています。
つまり、安室はもう1人の同行者を自由に選択できる立場だったのです。そして、そのタイミングで登場したのが脇田兼則でした。これは決して偶然ではなく、安室が影武者ラムの脇田に同行を提案したものと考えられます。
脇田1人で目的を遂行させるよりも、自分がついている方がコナン側に危害を与えるのを防げると考えたのでしょう。現に、この長野旅行で脇田はコナンを怪しみましたが、安室がフォローしています。
以上より、影武者ラムは脇田兼則であるという線が濃厚です。
影武者ラムを含めた黒の組織の命令系統を図解
1ページ目に、影武者ラムがいない状態での図解を示しましたが、ここでは影武者ラムがいる前提での図解を示します。それがこちら。
まず、ラムが自分の影武者を黒の組織の中から案件ごとに1人ずつ任命します。ラムの連絡手段は電話なので、ラムから影武者ラム(ここでは脇田兼則)への命令は電話で伝えられます。その後、影武者ラムから命令の遂行者(ここではバーボン)への連絡は、影武者ラムの裁量に任されます。(なんなら、自分で動いて命令を遂行することもできます。)
命令の遂行者は影武者ラムのことを”影武者”とは思ってなく、本物のラムであると思っています。これがラムの人物像が十人十色になる理由です。
ここで疑問が出てきます。それは、影武者ラムが全員義眼なこと・・・。
これは怖い推測ですが、ラムが任命した影武者ラムは、全員義眼になる手術が行われるのではないかということ。こうすることで、ラム=義眼という、圧倒的な特徴を印象付けられますからね。
これを逆手に取ると、もしかしたら真のラムは義眼ではない可能性もあります。
ここまでで、
ラム候補3人のうちのラムが、
影武者である説を考察してきました。
十人十色の人物像も
うまく説明できる考察に
なったのではないかと思います。
最後に真のラムについて、
次のページで紹介していこうと
思います。
それではどうぞ!
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